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性別不明体育教師
土方は体育にあまり燃えるほうじゃない。
むしろ気だるい授業の一つである。
右隣に立つ豪気な男は今日も頑張るぞ!と息巻いている。
そして、左隣の栗色の少年は別のことで熱を燃やしている。
(今土方死ねとか言わなかったか?お前が死ね)
はぁ、とため息をつくと土方は体育教師に目を向けた。
ひげ面の顔に厚化粧を派手なカツラをかぶっている大男。
鬼の体育教師西郷。
化け物である。
土方は正直、この体育教師が好きではない。
「おらぁあ!気合入れろやァ!!」
「こわぃいいい!この人恐いんですけどォ!」
この軟弱な声の持ち主は我等が担任の坂田銀八。
なぜ、体育の授業に国語担当のこの教師がいるのかはわからない。
しかし、このクラスメイト達はそういう細かい所に気を向けないクラスだ。
(一部気を使いすぎて保健室に行ったり、退学届けとかをだす奴もいるが)
今の現状を取り囲んで素直に眺めている。
(むしろ面白がっているといった方が正しいか)
「土方、なんで銀ちゃんいるカ?」
「俺に聞くな」
神楽が土方の前に立ち、銀八と西郷に指をさした。
「ちょ、まじで?なんで?俺あんたのガキと遊んだだけじゃん!世話してやったんじゃん!」
「嘘つくんじゃねぇ!お前てる彦へんなホテル街連れてかれたとか言ってたぞ!」
「うるせぇな世話してやったんだからおネェさん釣る道具くらいなってくれたっていいじゃん!ほんとありがたかったよ!いろんなおネェさんがかわいい~あなたいくつ?って俺?俺25過ぎちゃったよ~もうっあなたじゃなくってこの小さなぼうやよぉ!ああそっかぁあははははって…」
「てめぇえええええ!んな都合いい事あるわけあるかァ!っていうか、それほんとか?今度やろうじゃなくってまじブッコロス!」
どうやら、銀八が西郷の息子を変な所に連れて行ったことが原因らしい。
(ていうか、銀八もそういうところ行くんだなぁ…)
土方はぼぉっとその成り行きを見守っていた。
(多分通りがかっただけとかそんなんだろうけど…)
(いや、まさか子供を餌にして女達を呼び寄せるなんてことしてないし、女達はそんな簡単じゃないだろう…)
(だけど)
(だけど)
「土方さん?どうしたんですかぃ?」
「……え?」
考えにふけっていて周りが見えていなかった。
ふと目の前を見ると、馬乗りで西郷が銀八に殴りかかる所だった。
「あ。」